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疾患・診療について

疾患・診療について

長引く咳

長引く咳について

「咳」は内科の外来にかかる症状の筆頭です。また、その原因が何であっても、長引くときは長引きやすい症状の代表です。短期間で治まる咳もいくらでもありますが、時には月単位で長引く場合も少なくありません。そんな状況から、日本呼吸器学会では、3週間以上続く咳を遷延性咳嗽(「少し長引く咳」)、8週間以上続いた咳をやっと慢性咳嗽(「長引く咳」)と呼んでいます(咳嗽に関するガイドライン第2版)。

長引く咳のうち、まずレントゲン写真に影が写る咳は、その影の様子によって診断します。レントゲン写真に影が写らない咳の原因も様々ですが、主には、①感染後(いわゆる「名残りの咳」)、②アレルギー性(典型例が「咳ぜんそく」あるいは「気管支ぜんそく」です)、③副鼻腔炎(蓄膿症)関連、④胃食道逆流症(逆流性食道炎)関連、⑤睡眠時無呼吸症候群関連、⑥薬の影響(特にある種の血圧の薬)などが原因で、それらの原因がいくつか合併することもあります。

咳の診察も、レントゲン検査や肺活量などの呼吸機能検査、血液検査や喀痰検査などの検査も重要ですが、一番大切なのは問診と聴診です。原因ごとに、それぞれの咳にも特徴があり、問診は重要です。また、聴診では、必ず「背中の聴診」と「呼吸に負担をかけた時の聴診」を行います。それによって、普通の胸の聴診では聞こえなかった雑音が聞こえてくることがしばしばあります。

「薬で咳を止めてよいかどうか?」は時々議論されますが、咳も相当なエネルギーを必要とし(1回あたり2kcal、スピードも時速200~300kmで、時には時速800kmにもなると言われています!)、「止めるべき咳は積極的に止めましょう」が原則です。そのためにも、まず正確な診断が必要です。

最後に、長引く咳では、レントゲン検査で見えにくい場所の確認などのために胸部CT検査も重要です。胸部CT検査では、喫煙者の肺のこわれ具合なども確認できます。 長引く咳も、心配はないことがほとんどですが、大きな病気が隠れていることもあります。

気管支ぜんそく・咳ぜんそく

気管支ぜんそく・咳ぜんそくについて

気管支ぜんそくは、「アレルギーからの炎症による気管支のけいれん発作」のような病気で、現在の治療の中心は、アレルギーからの炎症を抑えるステロイドの吸入薬です。以前は、ぜんそく症状が出た時に、薬を飲む、吸入する、点滴するといった「発作止め治療」が中心でしたが、現在は、発作だけを止めるのではなく、症状が全く無くなるまで吸入を続けるといった「症状完治治療」が重要だとされています。

気管支ぜんそくは、元来、発作が落ち着けば、元に戻る病気ですが、軽い症状でも発作を繰り返していると(以前の「発作止め治療」のように)、次第に気管支そのものが細くなって症状が元に戻らなくなってしまいます(気道のリモデリング)。

アレルギーの体質ごと治すような「ぜんそく完治治療」は存在しません。しかし、「症状完治治療」を根気よく続けて、最終的に治療薬を使わなくても全く症状が出ないという状態まで安定させることができれば、一般の全く健康な人と変わらない生活が送れます。

治療の中心となるステロイド吸入薬も、吸入薬そのものの種類だけでなく、吸入薬の剤型(粉末薬かエアゾル薬か)や吸入器具の種類も増え、治療の選択肢もずいぶん増えてきました。患者さんの年齢、薬を吸う力、合併症など、個々の患者さんの状況を見て、個々の患者さんに合ったオーダーメイド治療を、患者さんと一緒に考えていきたいと思います。

咳ぜんそくについては、ゼーゼー、ヒューヒューや呼吸困難ではなく、咳を主な症状とした軽い気管支ぜんそくで、やはりアレルギーが原因です。従って、基本的に治療は気管支ぜんそくと変わりはなく、じっくり腰を据えた治療が必要となってきます。

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